終活ビジネスの有馬将由さん「アイデアは思い続けいつも念頭に置いておくこと」
西東京市に事務所を構えるNPO法人終活支援センターで終活ビジネスをやられている有馬将由さん(当NPO代表)にお話を伺いました。NPOでの活動以外でも地縁組織の代表や世話人をつとめ、またシニアのための地域情報紙発刊など地域で中心的に活躍されている有馬さんにNPOを始めたきっかけや現在の状況についてどうなのかなどお話いただきました。
NPO法人終活支援センター 代表 有馬将由さん
有馬 将由さん
鹿児島県出身。西東京市在住。77歳。10年前に20年ほど経営していた会社を閉鎖。現在、NPO法人終活支援センターで地域版お別れの会(ありがとうの会)、遺言や葬式、財産など、自分が亡くなった場合の意志を書き記す、オリジナルの「終末ノート」を発行している。当NPOでの活動以外にシニアのための情報誌を発刊する「きらっとシニア倶楽部」。地域デビューする退職者の受け皿となるイベント「西東京おとうさんお帰りなさいパーティ(通称おとぱ)」の企画、運営など地域で様々な活動に参画している。
── 地域で活動しはじめたきっかけを教えてください
10年前、会社をクローズ。地域に戻り”NPO”として起業した
有馬 平成15年に、42歳で立ち上げた会社を閉鎖しました。精神的にもものすごく大変なときに、地域に戻るしかなく、会社を閉める準備をしながら何かやれないか考えていたとき、当時、NPO法の施行で話題になっていたNPOを使い、何か前向きになれることをやりたいと思い、地域でNPOとして起業します。会社を閉鎖した精神的なダメージから、とにかく何かしていないと居ても立ってもいられなかったのです。
── NPOを設立し事業ドメインを決めた理由を教えてください
葬儀関係を事業ドメインにしたが、未経験分野
有馬 一人で始めるからにはニッチなことに目を付けなきゃやっていけないと思ってました。ちょうど周辺でも親をなくす人が多く、葬儀のことが頭に入るようになりました。mixiの葬儀コミュニティを通じて葬儀関係者や僧侶、葬儀評論家等と交流するようになり、まずは一人で書類も作り、法人を立ち上げてしまいました。はっきりしたビジネスモデルの詳細はなかったんです。葬儀関係の仕事は今までやったことがなかったです。
── 葬儀ビジネスを通じて何か変えていこうと思ったことを教えてください
有馬 子どものころは葬儀屋がなかったと記憶しております。昔は地域コミュニティで葬儀をやっていました。葬儀屋がやることを地域でやるようにな昔の状態に戻るといいなぁと思ってます。
── 現在の取り組みのひとつである「ありがとうの会」について教えてください
ありがとうの会は地域版お別れの会(偲ぶ会)
有馬 直葬や家族葬が多くなった昨今、お別れの会や偲ぶ会を開くケースも増えてきました。ただし、都内ホテルで行われることがほとんどです。ありがとうの会は、故人と関係がない都内ホテルではなく、地域になじみのあった場所やレストランでお別れの会をやれば良いと思い始めた事業です。
── エンディングノート事業について教えてください
エンディングノートの目的は自分の周辺整理と自分の意思を伝えるためにやるもの
有馬 エンディングノートの目的は2つあります。1つ目は残される家族のために自分の周辺を整理するためです。 2つ目は自分の意思を伝えるためです。現在は依頼されて講師をすることも多く、特に終末期医療における意思の伝え方は具体的に書き方を示せるようにしております。皆さんが興味を持っているのは、延命治療です。延命治療をしたくない方というのは、あるアンケート調査によると9割を超えています。どういった書き方をすれば確実に延命治療をしないで済むのかという内容に興味を持つ方が多いです。
デイサービスには無償で講座のボランティアに行くこともあります。独自のエッセンスを加えたエンディングノートのマニュアルは一冊600円で販売しています。
販売はホームページと市のボランティアセンターで行っていますのでご興味ある方がいらっしゃいましたらご購入ください。エンディングノートの活動で人脈が拡がってきておりいい流れができています。
── 事業規模について教えてください
有馬 現在は売上として、ほとんど出ていないです。ありがとうの会は100万近くのお金が動くので利益率が高いと考えております。どう広げて運営していくかですね。
── 現状の課題と今後の展開についてはどうお考えでしょうか?
80歳までに事業を軌道に乗せ次世代へ引き継ぎたい
有馬 ありがとうの会は1件数十万と収益率が大きく、今後どう運営していくかが課題です。サテライトオフィスをつくるなどして、他の地域にどう拡大していけるかということ考えてます。
ありがとうの会やお墓参り代行事業を80歳になる3年後までに、モデル化し、次の世代に受け継ぐようなことができたらいいと思っています。
── この活動で有馬さんのやりがいを教えてください
人とつながっていくことにやりがいを感じる
有馬 コミュニティビジネスをやるための人のネットワークができてきている手応えがあることが嬉しいです。地域では一度、人とお会いしたあとも度々会う機会が増え、コミュニケーションが増えることでの充実感にやりがいを感じています。エンディングノートなどの講座を通じて受講者の反応を見られることもおもしろいです。
── 最後に、これから活動を始められる方へメッセージをお願いします
有馬 アイデアは思い続け、いつも念頭に置いておくことが大切です。そうすると、日常のいろんなことに結びついてきます。
これから活動する方へメッセージを話す有馬将由さん
── 有馬さんのおすすめの書籍
・定本納棺夫日記 青木 新門 (著)
・伝え方が9割 佐々木 圭一 (著)
── 有馬さん、ありがとうございました
(インタビュー・文: KOKEGUCHI, AYA, TOMOKO )
有馬将由さんに連絡して第一歩を踏みだしましょう!